技術士試験問題と模範解答と解説 2021年 令和3年


上下水道部門模範答案
必須科目 Ⅰ-1S

選択科目 
上水道  Ⅱ_1_1S Ⅱ_1_1S Ⅱ_1_4
Ⅲ-1S

下水道 Ⅱ-1-2 Ⅱ-2-1 Ⅲ-1
※問題番号末尾のSはスタンダード模範解答を表します。(無印はプレミアム模範解答)
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水道必須 Ⅰ-1
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日本の将来人口は、減少していくと予想されている。この人口減少により上下水道事業では、将来水需要の減少に伴う料金収入の減収や職員数の減少が見込まれている。一方、多くの施設は、老朽化が進行しており、更新時期を迎えつつある。このため、今後も安定して事業を継続していくためには、厳しい財政状況下で執行体制の省力化を図りながら事業が進められるように上下水道事業の基盤強化を着実に進めていくことが求められている。
(1) 上下水道事業に共通する事業基盤強化に関して、技術者としての立場で多面的な観点から3つ課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題の内容を示せ。
(2) 抽出した課題のうち最も重要と考える上下水道に共通する課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3) 解決策に共通して生じうる新たなリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4) 業務遂行において必要な要件を技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から述べよ。
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答案1 専門事項:水道設計   S
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(1)上下水道事業に共通する基盤強化に関する課題
上下水道事業を安定して継続していくためには、基盤強化を着実に進めていくことが必須であるが、以下の課題がある。
1) 老朽化設備の更新と財源の不足
高度経済成長期に大幅に整備が進んだ上下水道施設は、近年更新需要のピークを迎えている。一方、人口の減少に伴う料金収入の減少により、上下水道事業の財政収支は悪化傾向にあり、更新に必要な財源の確保が困難となっている。老朽化した設備は、事故リスクや災害時の被害拡大のリスクが高く、安定した上下水道事業の継続を妨げる要因となる。
■講師コメント現状の説明に終始するだけでなく、今後どうしたら良いかという方向性を示す提案を増やすと良いでしょう。
2) 熟練職員の持つ技術の継承
近年、上下水道事業体の熟練職員の大量退職時期を迎えている。一方、経営のスリム化や人口の減少により、新規職員の採用者数は減少傾向にあり、今後もその傾向が続くものと予想されている。そのため、上下水事業の安定稼働を支える熟練職員の技術ノウハウをいかに少数の若手職員に継承していくかということが課題となっている。
3) 自然災害対策
近年、大型台風やゲリラ豪雨をはじめとする異常気象や大規模地震といった自然災害が頻発するようになってきている。これらの自然災害は安定した上下水道事業の継続を妨げる要因となるため、施設の耐震化や浸水対策等の自然災害対策が求められている。
■講師コメントこちらも、具体的な技術的対処、課題を示すと良いでしょう。
(2)最も重要と考える課題とその解決策
 前記課題1)「施設の老朽化と財源の不足」について
① アセットマネジメントの実施
上下水道施設の施設台帳や日々の点検記録を基に、設備ごとの重要度や老朽度を評価し、更新の優先順位を設定する。この結果に加えて地域ごとの財政状況や将来にわたる財政収支を考慮することにより、中長期的に効率的かつ効果的な更新計画を立てる。
② 施設の統廃合とダウンサイジング
老朽化施設の更新にあたり、施設の統廃合とダウンサイジングを検討する。これにより、更新事業費の抑制が図れるほか、維持管理費を含めたライフサイクルコストの削減が期待できる。将来の水需要の減少に合わせた適正規模に施設更新を行っていくことが重要である。
③ 上下水道料金の値上げと国庫補助金の活用
■講師コメントこれら↓は役所の仕事であって技術士の務めではありません
施設の更新に必要な財源を確保するために、上下水道料金の値上げや国庫補助金の活用を検討する。上下水道料金の値上げについては、需要家は敏感であるため、事業内容や財政収支の詳細についてわかりやすく説明し、納得してもらうことが重要である。また、料金については事業体間の公平性や、将来世代との公平性が確保できるように留意する。
(3)解決策に共通して生じうるリスクとそれへの対応
全問で述べた3つの解決策に共通して生じうるリスクとして、ハードの整備や関係者との各種調整に時間や労力がかかることがあげられる。
■講師コメント困難↑はないとは言えませんが、リスクというほどのことでしょうか。
対策としては、事業の広域化や官民連携、IT技術の活用によって事業の効率化を試みる。事業の広域化では、施設、人材、情報等の経営基盤の共有や有効活用により、運営の効率化が期待できる。官民連携では、民間企業の技術や経営に関するノウハウを有効活用することにより、運営の効率化を図る。IT技術の活用では、各種情報の一元管理や共有化のほか、業務の標準化やマニュアル整備により、効率化を図る。これらは、詳細内容について様々な手法が存在するため、事業体ごとの技術や財源の現状に応じて適切な方法を選択する。
■講師コメントやや内容↑が多すぎて、焦点が絞りこめていません。
(4)業務遂行において必要な要件
技術者は、公衆の安全と健康、利益の優先を常に念頭に置き、経営状況が厳しい中でも安定した事業の継続が可能となるように、自らの持つ技術を駆使する。また、将来にわたる社会の課題やニーズの変化を敏感にとらえて、対応していくことにより、社会の持続可能性を確保する。これらを実現するために、最新の技術を習得できるように継続研鑽するとともに、PDCAサイクルにより、自己の業務手順を常に改善し続ける意識を持つ。 
■講師コメント問4は趣旨がやや違います。業績論文ではないのでこのような「私はこう考える」というような心構えは求めおらず、問2の解決策/ご自身の提案内容についての技術者倫理の向上提案、SDGsの改善策を書かれた方が良いでしょう。
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上水道 Ⅱ-1-1
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 活性炭処理の種類とそれぞれの特徴と処理上の留意点について述べよ。
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答案1/2 専門事項:水道設計   S
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1. 粉状活性炭処理の特徴と留意点
粉状活性炭は、粉径数十µm程度の活性炭で、異臭味物質やトリハロメタン前駆物質、油、農薬等を吸着除去するために使用される。必要に応じて、塩素注入と組み合わせて導入される。比較的簡易に導入可能であるため、一時的、季節的な処理が必要な場合に採用されやすい。原水に直接注入される。以下に留意点を示す。
■講師コメント 「粉状」と「粒状」が焦点なのでそれに由来することに集中して述べると良いでしょう。
・原水の年間を通しての水質の変化を把握しておき、水質の急変があっても対応できるように、十分な量の活性炭を備蓄しておく。
・ドライ式の場合は、防火対策等、取扱に留意し、ウェット式の場合には溶解設備が必要となる。
2. 粒状活性炭処理の特徴と留意点
粒状活性炭設備は、敷き詰めた活性炭上に処理水を通すことにより、異臭味物質や溶解性物質の吸着除去を行う。固定床方式と流動床方式があり、必要に応じてオゾン処理と合わせて導入される。以下に留意点を示す。
・活性炭の吸着効果を十分に得るために、処理水の流速は早くなりすぎないように監視する。処理水の最適な流速は、事前の処理実験によって決定しておく。
・活性炭の処理可能量の限界を超えた場合には、洗浄による更生や、活性炭の入替を実施する。
・点検や補修、洗浄の実施に備えて、活性炭設備は2系列以上設置する。
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答案2/2 専門事項:水道施設管理 S
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1) 活性炭処理の種類
①粉末活性炭注入
 粉末活性炭を着水井等に注入し、臭気物質等を吸着させ、沈殿池で沈殿させることにより処理する。ドライ炭とウエット炭注入方式がある。
②粒状活性炭ろ過
 粒状活性炭のろ層を通過させることで水処理する。前段に塩素を注入しなければろ層に微生物が付着し、有機物の処理ができる。オゾン処理の後段に組み合わせることがある。
■講師コメント 根拠や提案に対する技術的な背景をもう少し説明すると良いでしょう。

(2) 特徴と留意点
①粉末活性炭注入
 必要な時にのみ使用できるので、注入期間が長くなければ比較的低コストとなる。粉末活性炭を注入すると脱水ケーキが黒くなるので、脱水ケーキを園芸用等として販売する際には○○を○○する。
ドライ炭はサイロに貯蔵するが、湿気により固まりやすい。エアブラスターや加振装置を設置する。
②粒状活性炭
 常時処理となるので高コストとなりやすい。長く使うと目詰まりするので、定期的に洗浄する。石炭系とヤシガラ系があり変更する際には特性の違いに留意して、○○を○○する。

また、ろ材入替え後には、微粉炭が二次側に流出することがあるので試運転・試験を慎重に行う。生物活性炭はろ材入替後に微生物が付くまで日数を要す。
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上水道 Ⅱ-1-4
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 有収率向上のための対策を複数挙げ、それぞれの技術的要件について述べよ。
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答案1 専門事項:水道管の漏水被害の防止
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1)漏水等を減らす直接的な対策について
既存資料調査による水道管の残存状況の把握を行い、経年劣化による漏水防止のための塩化ビニール管や鉛管などの老朽管の布設替えを行う。
また、速やかな修繕等の対応を行うため、漏水探知機等による計画的な漏水調査と夜間・休日も含めた修繕当番体制を整えて早期修繕を行う。
2)配水量の管理による対策について
末端部でも残留塩素濃度0.1mg/L以上を確保できるよう、流達時間の水理計算を行い、配水範囲の小ブロック化を推進する。また、配水安定性のため、配水拠点から流出する管路は複数化やループ化により、配水ブロック内のバックアップ体制を整える。
流量の正確な管理をするため、テレメータにより水道施設全般の運転状態を把握し、水圧・水量を調整する。
3)職員の育成による対策について
水道技術の継承をするため、実際のケースでの管路設計や管網解析による配水量管理を行う技術講習会やOJTによる漏水修繕方法や漏水調査技術の研修をして、経験によるノウハウを教えて、有収率を上げる。
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上水道 Ⅲ-1
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 問題文 中小規模の水道事業者の多くは、人口減少に伴う水需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等に直面しており、技術的・財政的に様々な課題を抱えている。
 さらに、市町村合併等が行われた地域の水道事業者においては、浄水場などの水道施設が点在し、運転監視装置の設備機器厚生や仕様が異なることにより、運転管理や保全管理が複雑になっている場合があり、適切な維持管理を難しくしている。
(1)水道施設の監視制御システムを整備するに当たり、技術者として多面的な観点から検討すべき課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえでその内容を示せ。
(2)抽出したかだいから最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の対応策を示せ。
(3)対応策によってあらたに生じるリスクと解決策について、専門技術を踏まえた考えを示せ。
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答案1 専門事項:水道設計   S
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(1) 課題
①効率化と省人力化(持続の観点)
 人口減少に伴い水需要の減少、人材不足が見込まれるため、監視制御システムの整備により事業の効率化と省人力化を行い、経営基盤を強化することが課題である。
②災害対応能力の向上(強靭の観点)
 人口減少下でも災害対応能力を確保するため、監視制御システムの整備により、複数の浄水場間の相互融通を迅速に行えるようにする必要がある。
■講師コメント 現実的にこの↑ようなことはあると思いますが、残念ながらここでの焦点ではありません。別な観点を挙げ方が良いでしょう。
③水質の確保(安全の観点)
 水質変動時にベテラン職員のカンによって薬品注入量を変更する事例があるが、将来的に立ち行かなくなる。技術の言語化と標準化を行い、監視制御システムによる自動計算を行う必要がある。
■講師コメント 何故水質、安全ですか・・・やや唐突な感じがします。論理的に、問題点からひも解いて課題を挙げるようにしてください。

(2) 最も重要な課題と対応策
課題:効率化と省人力化(持続の観点)
対応策①中央集中化
 監視制御システムを整備し、中央の拠点から複数の施設を制御できるようにする。これにより中央以外の施設を無人化する。通信の速さと確実性に留意して整備を行う。
対応策②標準化による維持管理性の向上
市町村合併や広域化した事業体では類似システムを複数運用し維持管理性が低下していることがある。水道情報活用システムの仕様に監視制御システムの仕様を合わせることで、プラットフォーム化とインターフェースの標準化を行い、維持管理性を高める。また、事務系システムも連携し、事務の効率化への波及効果が期待できる。
対応策③AI技術の活用
 薬品注入量と水質状況をディープラーニングさせ、AIが適正注入量を算出し、薬品コストを低減する。
水需要の変動をAIにディープラーニングさせ、AIに水需要の予測に基づいて処理や水圧の適正化を行わせて運転コストを下げる。
対応策④IOT技術の活用
 老朽化設備に各種センサーを取り付け、データーをシステムに取り込むことで故障に早く気付いたり、予見したりできるようにする。また、スマートメーター
で漏水箇所を早く特定できるようにする。
(3) 新たなリスクと対応策
リスク①ハッキング
 監視制御システムを高度なものにすると、ハッキングを受けた時の影響範囲が広くなる。
対応策
・サイバーセキュリティの強化
 OSは常に最新のものとし、ファイヤウォールやアンチウイルスソフトが有効であるか確認する。サーバー室の入退室管理やUSBメモリーの管理を確実に行う。
・システムの冗長化
 分散制御装置や現場盤で運転ができるようにしておく。職員に対する訓練を実施する。
リスク②システムのブラックボックス化
 監視制御システムが高度なものになると仕組みが把握できなくなり、故障時の対応や技術伝承に支障をきたす。
対応
・発注時に内容を開示するよう求めて、仕組みの見える化を行う。
・各種パラメーターを変更できる仕様とし、パラメーターの最適化を職員が行うことで技術力を維持する。
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下水道 Ⅱ-1-2 専門事項:下水渠
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分流式下水道における雨天時流入水に起因する事象について、その発生原因を2つ挙げるとともに管路施設での対策を述べよ。
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1.分流式下水道における雨天時流入水に起因する原因
1)直接進入水
雨天時に下水量が急激に増加し、直接進入水の場合が多く、原因として雨水の取付管誤接続や桝破損部からの進入、溢水によるマンホ-ル蓋からの進入でる。
2)浸透進入水
老朽化により、取付管破損部・マンホ-ルの破損部・接合部から地下水進入、管渠の破損・クラックから地下水進入である。
2.対策
1)雨天時増水対策 
 雨天時侵入水を減少させるためには、発生流域を突き止め必要があるので、管路系統をブロックに分けて流量データと降雨デ-タの調査を行い、雨天時侵入水の発生している可能性の高い流域について細かく調査を行い絞り込む。
①雨天進入水の増水に伴い機能性の向上を図るため、管渠の流下能力増強や、ネットワ-ク、ポンプ能力増強の対応する。
2)進入水削減対策
 雨天時侵入が発生している集水域において、浸透進入水の管渠の継ぎ手やひび割れクラック等の修復・交換・布設替えや更生を行う。
3)直接進入水削減
直接進入水のマンホ-ル蓋の交換や浸水地区からの流入を管渠の貯留管で対応を行う。
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下水道 Ⅱ-2-1  専門事項:下水渠
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 大規模な地震時においても下水道が有すべき機能をいじするため、既存の下水道施設への地震対策が必要である。そこで、重要な下水道施設の耐震化を図る。「防災」と被災を想定し被害の最小化を図る「減災」を組み合わせた下水道総合地震対策を計画することとなった。あなたの業務責任者と選任された場合、下記の内容について記述せよ。
(1)調査、検討すべき事項とその内容について説明せよ。
(2)業務を進める手順を列挙してそれぞれの項目ごとに留意すべき点、工夫を要する点を述べよ
(3)業務を効率的、効果的に進めるための関係書との調整方針について述べよ。
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(1)調査検討すべき事項とその内容
1)処理場・ポンプ場の耐震診断・検討
土木構造物の等耐震診断調査を行い、下水道機能が最低有するべき機能確保する耐震化及びバックアップ対策の検討する。また、池構造のエキスパンションジョイントの耐震化検討を行う。
2)重要管渠の耐震診断・検討 
既設重要管渠や避難所経路等の耐震診断調査を行い、防災拠点及び避難路等関連施設と接続する管渠の耐震化検討を行う。緊急輸送路・軌道した河川下の管渠の耐震化検討する。
3)下水道システムの調査・検討  
下水道システムやデータのバックアップ調査を行い、各下水道台帳やシステムの管理状況を把握し、地震時の復旧に活用できる検討する。  
(2). 業務を進める手順・留意すべき点
1)マンホ-ルと管渠の接合部可とう継ぎ手設置 
防災拠点及び避難地並びに、高齢者・障害施設等から排水を受ける重要管渠及び汚水幹線を優先的に耐震化する。
2)更生工法の実施
多数の避難者が集まる避難地・学校・病院・医療施設等防災拠点がある区域は、既設重要管渠に更生工法で耐震化する。
3)振分けマンホ-ルによるネットワ-ク化変更
汚水幹線ル-トを処理区分し、振分け箇所を選定しネットワ-ク化を図る。 
4)防災拠点及び避難地のトイレ確保
防災拠点及び避難地に、マンホ-ルトイレシステムを整備を図る。また、貯留・排水施設の耐震化も図る。
(3)関係者との調整方策
防災課は、地震時の避難場所の確保するため、学校や公共機関に避難施設を確保するが、不足が想定される。下水道課は、避難所所への下水道耐震化を進める。住民は、多くの避難所確保を希望する。
私は、下水道処理場やポンプ場を避難所に活用し多くの住民が早期に避難できるように施設を提供する。防災.減災対策を確実にするため、備蓄倉庫の完備や下水道資源を活用し、余剰電力を住民に提供や雨水貯留施設をトイレ用水に活用する。
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下水道 Ⅲ-1  専門事項:下水渠
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海抜と1級河川とに面した低平地及び丘陸地からなるB市(市域面積約7000ha人口約40万人)は、分流式で下水道の整備が概成しており、洪水や高潮、津波被害と比べ内水被害に対する危機意識は低い状況であった。B市に降った雨水は、ポンプ場や排水樋管から海域や河川に排除されているが、近年気候変動の影響による降雨状況の変化に伴い、内水被害が頻発化・激甚化してきており、市民の内水被害へ危機意識も高まり、内水ハザ-ドマップを作成することとなった。こうした状況を踏まえ、内水ハザ-ドを作成する技術者として、以下の問いに答えよ。
(1)内水ハザ-ドマップを作成するに当り、技術者としての立場で多面的な観点から課題を3つ抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、課題内容を示せ。
(2)抽出した課題のうち最も重要と考えられる課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)すべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとそれへの対策について、専門技術を踏まえた考え方を示せ。
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答案1
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(1) 内水ハザ-ドマップを作成に関する課題
1)管渠モデルの解析
実績降雨や浸水実績をもとに、全区域を管渠シュミレ-ションにより、あらゆる雨水流下能力不足発生する、低地部・道路冠水・床上浸水・床下浸水・地下道浸水等の想定を行う。
2)水門とポンプ解析
河川水位が高くなり、水門を閉鎖し排水機場においてポンプ強制排水を行う場合、ポンプ能力以上の流入水のため、水路から雨水が溢水する。氾濫シュミレ-ション解析により、水門とポンプ関係を効果的に解析し浸水想定を行う。 
3)河川の影響から水害の解析
河川水位が見えず高くなり、内水被害でマンホ-ルから道路に浸水が発生する区域については、河川の影響を解析し内水被害を想定し、道路冠水や地下道の被害を判断する                                                                                                                                                                                                                                                                                                                
(2) 重要と考える課題と解決策
抽出した課題のうち河川の影響からの水害解析が、危険度があり重要と考える。次に解決策を述べる。
1)内水被害想定区域と実績情報表示
河川の降雨に対する水位状況から、内水氾濫解析のシュミレ-ションをもとに、河川影響からの浸水想定区域設定し、危険場所をマップにまとめて、浸水深さ色分け表示と実績情報を表示する。
2)河川の水位観測デ-タ監視
河川水位の状況を監視し、内水被害が想定される危険水位を住民にSNSや放送等で知らせるシステムを構築する。
3)ICT活用
河川へ放流できないために、浸水水害が発生しやすい地域のマンホ-ルのセンサ-を設置し、ICT活用して危険水位による避難を判定する。
(3) 新たに生じるリスクと対策
今後、河川に放流できない状況の長期な内水氾濫に伴い、地盤のゆるみが発生し、土木構造物の基礎に過大な変形が生じ道路や建物・河川構造物・護岸など影響を及ぼす。次に対策を述べる。
1)防災ハザ-ドマップ作成
安全な道路に誘導するため、切土や盛土やゆるい基礎地盤等避けて、防災マッブ作成する。
2)避難場所移転
地盤がゆるい場所の避難所を、移転させる。
3)逃げ遅れ防止対策
河川水位が上昇し、護岸等が崩壊する恐れの場所から、直ちに避難する。
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