口頭試験合格のための情報

日経コンストラクション2002.10.11の記事の要約

資格の取り方

技術士・口頭試験

第1回 試験の概要と当日の流れ 「難易度は受験者によって異なる」

  CEネットワークの取材協力による記事によると、口頭試験で受験者の約1割が不合格となるため、筆記試験を終えた直後から準備を始めることを勧めている。また、試験の流れや、また質問の難易度が受験者によって大きく異なる事実も,事前に頭に入れておくべきとしている。以下、概要と試験の注意点、合格者の体験談を要約する。

1.口頭試験の概要

試験時間、内容

 試験時間は従来の部門が30分で総合技術監理部門が45分、ただし,すでに技術士の資格を持っている人が総合技術監理部門を受験する場合は30分に短縮される。内容は筆記試験の繰り返しにならないように留意される。

試験当日の流れ

  1. 服装、スーツ着用のこと。年齢より落ち着いてみえるほうがよい。

  2. 会場到着→受け付け→受験者控え室(約50人が待機)

  3. 案内孫の女性が控え室に来て一人ずつ受験番号を呼ぶ

  4. 自分の番がきたら所持品を持って、試験室へ移動。

  5. 試験室の前に着いたらドアをノックする。

  6. 室内に入り,軽くおじぎをする。

  7. 鞄などの所持品は荷物置き用のいすに置く。

  8. 受験者用のいすの横に立ち,受験番号と受験する技術部門と選択科目の名称,氏名を告げ,軽く会釈、あいさつする。

  9. 「どうぞおかけください」といわれたら着席。

試験方法

試験官は2人。試験官は経歴書と、筆記試験の答案を見ながら質問。試験時間は原則として30分だが,それより短い場合も多い。試験時間が短いからといって不合格とは限らない。

 

2.試験の注意点

 口頭試験の質問の難易度は,受験者によって大きく異なる。「試験官と雑談したようなもの。それで合格した」という人もいれば,あえて「答えられないことが明白なことを,次々と質問された」という人もいる。また、試験官の得意分野だと,専門的な質問となる場合がある。筆記試験がボーダーラインにある場合、厳しい質問で振り落としていることが考えられる。

 このため、合格者の話をうのみにせずに、最悪の厳しい質問を想定して準備しておく必要がある。出題の可能性の高い受験動機などの質問に対しては、通り一遍の回答ではなく、専門家としての高い見識が示せるようにしておくことが大事である。

このほか、試験後に実際の試験のやりとりを再現し、文章として残しておくべきだ。万が一、口頭試験に落ちたときに、次の挑戦に生かす材料とするためである。

 

3.合格者の体験談と教訓

A氏は、事前に,数人の先輩技術土から「口頭試験は雑談半分で受験者の人格をみるのが目的」と聞いていた。一応、筆記試験の回答を復元して質問に備え,模擬面接も受けている。しかし、試験官は「今日はあなたか不得意とする分野について質問します」と宣言して、「落すため」ともとれる苦手分野の質問をしかけてきた。結果、不合格。2回目は、筆記試験直後からの準備が奏功し、意地悪な質問もなく、無事合格。

A氏の体験から得られる教訓は、筆記試験がボーダーラインぎりぎりで合格した場合、口頭試験で厳しい質問を浴びせられので、よほど準備しておく必要があるということである。

 

B氏は受験動機を聞かれ、「技術士は技術部門で最高峰の資格であるため,技術者は必ず取得すべき」、「自分が勤める県の工事が大型化、複合化してきているため、技術士の資格を取って総合的な技術力を付けて、仕事を円滑に進めたい」という一般論的な答をした。県内の自然公園の数も聞かれたが、答えられず、視野が狭いという印象を与えた。
 2回目の挑戦のときも、一回目を超える厳しさで、回答に対してさらに問題点を追求する、まるで波状攻撃のような質問を受けた。しかし、日数をかけて答案を復元し、内容を補完し、A4判で10ページほどの想定問答集を作ったことが幸いした。質問に対して専門家としての意見を具体的に回答した結果、最終的には試験官が満足した。

 B氏の試験より、受験の動機を聞かれたら一般的な回答ではなく、十分練った専門家としての見解を述べることが大事といえる。

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